2017.09.20
  • スキルアップ

質問は「のり弁」めくりのワクワク感で

 「昨日ね、また、部長から注意されちゃった」と職場のAさんがポツリ。あなたはどんな返事をするでしょうか?

 「なんだ、またミスしたの〜」とあきれ顔で。

 「いつ、何を注意されたの?」と興味深々で。

 「次はミスしないようにしなくちゃ」と先輩風で。

 打ち明けたAさんの気持ちをやさしく受け止めるという風でないことが伝わっていることは、火をみるよりも明らか。そしてひょっとするとAさんは、二度とあなたに心をオープンにすることはないかもしれません。 

 なにかを言葉にするとき、情報の多くがカット(削除)されることがあります。そしてこれが、ミスコミュニケーションの大きな原因になっています。たとえば、昨日のディナーについて聞いた場合。

 フレンチかイタリアンか、はたまた居酒屋か。

 店内の広さ、清潔さ、料理の手早さ、そして美味しさ。

 誰と一緒?もしくは一人で?

 アルコールは飲まなかった?

もっともっと、たくさんの現実の情報があるはずですが、言葉にして表にでてくるのはほんの一部と言えるのです。話し手が思う「重要ポイント」だけが表にでてきて、他の情報が隠れている可能性があります。そこで、聞き手は必要な情報を共有するために質問という方法でゲットしなくてはなりません。

情報はその人の価値観によってゆがんで伝わる。


 冒頭の部長から注意をうけたやりとりについて。話し手は「注意した部長の印象」に焦点をあてているのか、「注意を受けた内容の重大さ」なのか。はたまた、「注意を受けた結果、計画の行方」なのか。

 これらを見ておわかりのように、情報はその人のフィルター(価値観)によって形を変えてしまうことを知っておく必要があるのです。仕事の重要ポイントは、出世や昇格だと思っている人。プロジェクトの進捗度こそが仕事の要だと感じている人。上司に好かれることが仕事の命だと思っている人。

 これらによって、物事がその人なりに歪曲されがちだということを、肝に銘じてコミュニケーションすることが大事です。

一事が万事〜一般化されやすいコミュニケーション例


 「仕事にミスが多くて職場の皆に嫌われている」と打ち明け話を聞いたことが、何度もあります。仕事にミスが多いというのは、誰と比較して、どのくらいのミスの数なのか、が隠されています。もっとも、話し手はそんなことには気づいていない場合が多く、ただ、「だから私は無能だ」「仕事を辞めたい」という結論になりがちです。

 「友達はみな、スマホを持ってる」「スマホを持っていないのは自分だけだから、クラスで仲間はずれになっている」〜大人も子供の世界と似ているといえばいいすぎでしょうか。

 このように、情報は

①言葉にすると削除されやすい。

②その人の価値観で歪曲されやすい。

③大きなまとまりとして「ひとくくり」にされやすい。

と、なりがちですね。

質問は「のり弁」めくりのワクワク感で


 では、このような課題を解決するためにどういう手を打てるのか。

 はい、頭を抱える相手に対して「質問する」ということですね。

 何百枚もあるファイルのなかから、しかも「のり弁」よろしく真っ黒な見えない部分がいっぱいで課題解決など程遠そうですが、そんなことはありません。一ひとつ剥がしただけで一気に解決に向かうことが少なからずあるからです。

 「あ〜あ、明日の会議に使う資料作りっていやね」

 「あと、どのくらいかかるの?私、もうできてるから手伝えるわ」

 「あら〜、嬉しい」

 これでグレーのコミュニケーションシーンが明るく爽やかな場面に一気に変わっています。できていない情けない自分から、手伝ってもらって課題解決の明るい自分に意識が変わる〜。質問と方向指示の威力発揮で言えるでしょう。

「なぜ?」は、質問の仕方一つで諸刃の剣に。


 質問はものごとの真意を確かめたり、相手のやる気や課題を解決するための必要不可欠な道具だと言ってきました。

ただ、使い方一つで、かえって相手の心の窓がピシッと閉じられてしまうことも少なくありません。気をつけて、相手の船の帆を起動修正できればいいですね。

では、その注意点を述べておきましょう。

①相手の不始末に「なぜ」を使うと相手は貝になる。

 なぜ、遅刻したのか。→無言の貝に。

②相手の不始末に「理由」を使うと相手はほぐれる。

 遅刻した理由はなにかね。→飲みすぎたので気をつけます。

③質問の前に褒める作業を。

 君のまじめさを買ってるんだよ。→次から本気でやります。

同じことを伝えるのでも、言い方一つで相手は動き、相手の能力はさらに開花する。おもしろいですね。

浦4
Profile
株式会社オフィスウラ 代表取締役、「元気ワクワク伝え方の学校」校長のウランです!
浦 登記(うら とき)
米国NLP協会認定トレーナー。ビジネスのアカデミー賞「スティービー賞」各賞を受賞。NLP資格取得コースや、「企業活性化のためのコミュニケーション研修」「人間関係のツボを改善する講座」「チームビルディングのための経営者研修」などの研修講師を務める。なお、NLP(神経言語プログラミング)は最先端の心理学で、最強のコミュニケーション手法として、コーチングのスキルやビジネスにも取り入れられている。

人材ビジネス業界ではお馴染みの「派遣スタッフ満足度調査」を開発・調査レポートし、本年で25回目を迎える大人気企画を立ち上げる。

1980年 (株)キャリアパワー入社 現場の営業、派遣スタッフの採用面接、人材ビジネスの基本を学ぶ
1986年 月刊人材ビジネス発行元(株)オピニオン入社。副社長として事業計画実施〜商品企画を担当
2008年 NLPの創始者リチャード・バンドラー博士に師事し、米国NLP協会トレーナーとして認定
2009年 (株)オフィスウラ 設立
2012年 「スティービー賞」「メンターor コーチングビジネス女性大賞」のブロンズ受賞
2015年 「スティービー賞」アジア・パシフィック部門マーキュリーブロンズ受賞
同年   「スティービー賞」国際賞ウーマン・オブ・ザ・イヤーブロンズ受賞

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