2020.11.19
  • 労働法規

新型コロナウイルス感染症に係る労災補償の取扱いについて

 

 新型コロナウイルス感染症(以下「新型コロナ」という。)については、国内第2波における新規感染者数のピークは過ぎたものの、その減少は鈍化傾向にあり、新型コロナに関する労災請求件数については増加しています。厚生労働省は令和2年9月23日現在、請求件数1,282件、うち支給件数655件であることを公表しました。

 今回は、労災補償の考え方と具体的な取扱いについて確認していきます。

労災補償の考え方について

 厚生労働省は、業務起因性(業務と傷病との間に相当因果関係が存在すること)があり、新型コロナに感染した場合には、労災保険給付の対象としており、当分の間、「調査により感染経路が特定されなくても、業務により感染した蓋然性が高く、業務に起因したもの」と認められる場合には、これに該当するものとして、労災保険給付の対象とすることとしています。(令和2年4月28日基補発0428号第1号発出)

具体的な取扱いについて(国内の場合)

1.医療従事者等以外の労働者

(1)医療従事者等以外の労働者であって、感染経路が特定されたもの

感染源が業務に内在していたことが明らかに認められる場合には、労災保険給付の対象となること。

(2)医療従事者等以外の労働者であって上記(1)以外のもの

調査により感染経路が特定されない場合であっても、感染リスクが相対的に高いと考えられる次のような労働環境下での業務に従事していた労働者が感染したときには、業務により感染した蓋然性が高く、業務に起因したものと認められるか否かを、個々の事案に即して的確に判断すること。

➀複数(請求人を含む)の感染者が確認された労働環境下での業務

②顧客等との近接や接触の機会が多い労働環境下での業務

2.医療従事者等

患者の診療もしくは看護の業務又は介護の業務等に従事する医師、看護師、介護従事者等が新型コロナに感染した場合には、業務外で感染したことが明らかである場合を除き、原則として労災保険給付の対象となること。

以上により、新型コロナに感染した場合についても、労働基準監督署において、他の疾病と同様に個別の事案ごとに業務の実情を調査し、業務との関連性(業務起因性)が認められる場合には、労災保険給付の対象となりますが、まずは引き続き、職場内において、3密(➀密閉空間、②密集場所、③密接場所)を避けるなど、事業者、労働者各々が感染防止行動の徹底について正しい知識を持ち、職場や職務の実態に即した感染予防対策に取り組むようにしましょう。

ブログ_ユアサイド工藤さん
Profile
社会保険労務士法人ユアサイド
工藤 あさみ(くどう あさみ)
早稲田大学 第二文学部卒業後、平成27年社会保険労務士法人ユアサイド入職。平成29年社労士試験合格、登録。派遣会社での労務管理経験を活かし、労務相談等を行う。「親しみのある社労士」を目指して日々邁進中。

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