2017.05.09
  • 派遣業界トピックス

労働者派遣事業・職業紹介事業の許可基準の追加

労働政策審議会において労働者派遣事業および職業紹介事業の許可基準について検討がなされ、平成29年5月30日から許可基準に新しい項目が追加される見込みです。

 

【派遣許可基準の追加:教育訓練受講にかかる交通費の差額負担】


有給無償の教育訓練を受講するための交通費が、派遣先との間の交通費より高くなる場合、派遣元事業主がその差額を負担する必要があります。例えば、自宅と派遣先を往復する交通費が500円、自宅と教育訓練の会場を往復する交通費が700円の場合、派遣元事業主が差額である200円を負担する必要があります。

教育訓練受講にかかる交通費の差額負担については、これまで厚生労働省が公表している”改正労働者派遣法に関するQ&A”において指導されてきたことなので、実務的な影響は少ないと思われます。新たに許可基準の追加されることにより、5月30日以降に労働者派遣事業の許可更新をする場合、更新要件に就業規則もしくは雇用契約書への明記が必要になると思われますので、更新が近い派遣元会社はご注意ください。

【紹介許可基準の追加:面積要件の廃止、プライバシー保護の強化】


これまで有料職業紹介事業の許可基準として、職業紹介事業に使用する面積が、おおむね20㎡以上という面積要件がありました。5月30日以降、面積要件が廃止され、プライバシー保護措置が新しい要件として追加されます。プライバシー保護措置の具体的内容は以下の通りとなっています。

~プライバシー保護措置~

①職業紹介の適正な実施に必要な構造・設備(個室の設置、パーティション等での区分)を有すること。

②他の求職者又は求人者と同室にならずに対面の職業紹介を行うことができるような措置(予約制、貸部屋の確保等)を講ずること。

 

上記のプライバシー保護措置は、”当分の間、20㎡以上の面積要件を満たせばプライバシー保護措置は求められない”と経過措置が設けられています。現在、有料職業紹介事業の許可をもっている会社は面積要件を満たしているため、すぐにプライバシー保護措置が必要というケースがあまりないと思います。面積要件の廃止をきっかけに20㎡未満の事業所において有料職業紹介事業の許可申請をする場合、プライバシー保護措置が必要になりますので、ご注意ください。

労働者派遣事業および有料職業紹介事業の許可基準の追加はどちらも実務的な影響は少ないと思われますが、許可更新が近い会社は念のため許可要件を満たしているか見直しをした方がよいでしょう。

 

当日の資料はこちらからご確認いただけます。http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000162256.html

photo Nakamiya_s
Profile
社会保険労務士法人ユアサイド 代表社員
中宮 伸二郎(なかみやしんじろう)
立教大学法学部卒業後、社会保険労務士となる。2001年西崎労務経営事務所入職。07年社会保険労務士法人ユアサイドを設立。企業の人事労務相談、雇用管理改善指導を行う。労働法に関する助言を通じて、派遣元企業、スタッフ双方に生じやすい法的問題に精通。07年より「派遣元責任者講習」の講師としても活動している。

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