2017.06.19
  • 派遣業界トピックス

1か月単位の変形労働時間制を派遣労働者に適用する際の注意点

一か月単位の変形労働時間制とは?


1か月単位の変形労働時間制とは、1か月以内の期間を平均して1週間当たりの労働時間が40時間以内となるように労働日および労働日ごとのを設定することにより、労働時間が特定の日に8時間を超えたり、特定の週に40時間を超えたりすることが可能になる制度です。

 

1か月単位の変形労働時間制を適用するには、労使協定もしくは就業規則に以下の事項を定める必要があります。

 ①対象労働者の範囲

 ②対象期間および起算日

 ③労働日および労働日ごとの労働時間

 ④労使協定の有効期間(労使協定で1か月単位の変形労働時間制を適用する場合)

労使協定もしくは就業規則のどちらかで1か月単位の変形労働時間制を適用することになりますが、一般的に就業規則で適用するケースが多いです。労使協定で適用する場合、有効期間を定める必要があり、有効期間ごとに労使協定を更新する必要がありますが、就業規則で適用する場合、有効期間を定める必要がないため、更新する必要がなく、事務負担が少ないためです。

 

労働者派遣における1か月単位の変形労働時間制


1か月単位の変形労働時間制が適用されている事業場に労働者を派遣する場合、派遣先のシフトに合わせて派遣労働者に変形労働時間制を適用することになります。事務負担の少ない就業規則で適用したいところですが、派遣労働者に就業規則で変形労働時間制を適用することはあまりおすすめできません。理由は対象労働者の範囲や対象期間などを派遣先ごとに記載しなければならないため、記載内容が多くなりすぎるからです。

 

1か月単位の変形労働時間制を適用している派遣先A社、B社に労働者を派遣する場合、就業規則に「1か月単位の変形労働時間制は派遣先A社、B社に派遣中の従業員に適用する」という旨を記載した上で、A社およびB社それぞれの対象期間や起算日などを記載することになります。

 

新たに1か月単位の変形労働時間制を適用するC社に労働者を派遣することになった場合、「1か月単位の変形労働時間制は派遣先A社、B社、C社に派遣中の従業員に適用する」という内容に就業規則を変更する必要があります。また既存の派遣先A社もしくはB社の変形労働時間制の内容(対象期間など)に変更があった場合、それに合わせて就業規則を変更する必要があり、就業規則を変更する頻度が多くなり事務負担が大きくなります。

 

変形労働時間制の適用に不備があると、想定外の割増賃金を請求される可能性もありますので、労使協定での1か月単位の変形労働時間制の適用をおすすめします。

photo Nakamiya_s
Profile
社会保険労務士法人ユアサイド 代表社員
中宮 伸二郎(なかみやしんじろう)
立教大学法学部卒業後、社会保険労務士となる。2001年西崎労務経営事務所入職。07年社会保険労務士法人ユアサイドを設立。企業の人事労務相談、雇用管理改善指導を行う。労働法に関する助言を通じて、派遣元企業、スタッフ双方に生じやすい法的問題に精通。07年より「派遣元責任者講習」の講師としても活動している。

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